センター長挨拶

2017年6月1日
脊椎脊髄病センター センター長 小熊 大士(おぐま ひろし)
高度な技術を駆使した頸椎手術
当院は、他の脊椎脊髄専門病院に比べて、頸椎疾患に対する手術の割合が高いです。頸椎は脳と連続した脊髄の手術ですので、高度な技術が要求されます。
頚椎症(脊髄症、神経根症)
頚椎後縦靭帯骨化症
1)顕微鏡下選択的椎弓形成術
手術用顕微鏡を用いて、頭を支える大切な首の筋肉のダメージを最小限に抑え、脊髄や神経根の圧迫を後方から解除します。入院期間は1~2週間程度です。症例によっては、人工骨を用いた脊柱管拡大術を行うこともあります。
2)顕微鏡下頚椎前方除圧固定術
頸椎での脊髄・神経の圧迫を、前方から解除する手術です。術後翌日より歩行が可能で、入院期間は1~2週間程度です。
脊髄腫瘍・上位頚椎疾患
麻痺等のリスクが高く、道内でもわずかの施設でしか行われていない脊髄腫瘍や上位頸椎疾患(環軸椎亜脱臼など)にも対応しております。このような高度な手術技術を要する症例に対しては、竹林院長を中心に当院で積極的に行っております。
骨粗鬆症に起因した脊椎手術
脊椎圧迫骨折
経皮的椎体形成術(BKP: Balloon Kyphoplasty)

高齢者に多くみられる骨粗鬆症に関連した圧迫骨折(転倒などで背骨が潰れる骨折)に対しては、40分ほど全身麻酔で眠っていただいている間に、潰れた骨に骨セメントを注入し元の形に復元する椎体形成術を行っております。手術当日の夕方から自由行動を許可しています。最近では90歳以上の方でも治療を受けられております。
脊柱変形
学童期側弯症
側弯症矯正固定術

学童期側弯症に関しては、脊椎脊髄病指導医の資格を有した複数の医師が同時に手術に参加することにより、手術時間の短縮、出血量の低減が可能となり、より安全な手術が行えています。竹林院長は、これまでに多くの側弯症手術の経験があり、道内から多くの患者様が治療の相談に来られています。
成人脊柱変形
前方進入脊椎椎体間固定術(XLIF: eXtreme Lateral Inetrbody Fusion)
国内では比較的新しい術式で、変形した脊柱を矯正し安定化させるのに優れた方法です。体の側方から手術を行うことで、手術による背中の筋肉のダメージを最小限にできる低侵襲な手術手技です。腰椎すべり症や腰部脊柱管狭窄症にも応用されております。小熊副院長が中心となって当院へ導入されております。