ストレッチについて
こんにちは!理学療法士の工藤恵莉です!
リハビリテーション科ブログページへアクセスいただきありがとうございます。
ここ最近はバスケットボールやラグビー、バレーボールなどW杯イヤーで盛り上がったのではないかと思います。個人的には中学時代にバレーボール部に所属していたこともあり、特にバレーボールが楽しみでした!この記事を書いている時は、女子日本代表が開幕4連勝で盛り上がっておりました。今回はそんなスポーツにも関わる内容ですので、是非最後まで読んでいただけると幸いです。
本日のブログはリハビリを受けられた方やスポーツをしている方などに馴染み深い言葉である「ストレッチ」についてです。よくリハビリ担当から自主トレーニングなどで「ふくらはぎのストレッチをしてください。」などと言われたりするかと思います。おそらくそのストレッチの目的や時間や回数など説明はあるかと思いますが、ピンとこない方もいらっしゃるかと思います。そこで改めてどんな効果があるのか、どれくらいが適切なストレッチ時間なのか、など簡単に説明していきたいと思います。
【ストレッチとは】
ここでお話しするストレッチは「静的ストレッチ」といいます。静的ストレッチとは反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくりと伸ばし、伸展した状態を維持するストレッチです。下図を一つの
例としてご参照下さい。
【ストレッチの効果】
まずストレッチをする意義として、身体の柔軟性が関与します。身体の柔らかさは一般的に障害予防や競技パフォーマンスの向上、体力の向上に欠かせない要素であり柔軟性が高いほど障害や外傷が起こりにくいと考えられています。身体の柔らかさとスポーツ障害・怪我との関係について、一般的には柔軟性が高いほど損傷発生頻度が少ないと考えられていますが、関節の可動性が高すぎる場合(過可動性)は関節外傷ななどの損傷発生が高まると指摘される場合もあるようです。しかし関節弛緩性(ゆるさ)と外傷との関連については、関節弛緩性の高い者で外傷が多いとする報告や、反対に少ないと報告しているものもあり、一致した結論が出ていないということも覚えておいて頂きたいです。
【強度や時間】
・強度
痛みのない範囲で最大限に伸張感を感じる強度(筋肉が伸びてるなと感じる程度)
・時間
主観的に筋が伸びたと感じるまでの時間(対象者がストレッチ開始時の筋の突っ張り感がなく
なったと感じるまでの時間)おおよそ40秒〜1分弱
・セット数
上記時間を3セットが目安
参考文献ではこの方法で柔軟性が即時に改善したと報告されています。しかしながら、筋肉が伸びたと感じる時間や強度には個人差があるため、今後も調査が必要なようです。特に運動習慣が少ない方などにとっては、主観的な感覚でストレッチを行うのが困難な場合があるため、ストレッチ時間を設定することも大切であるようです。
今回はストレッチについて簡単ですがお話しさせていただきました。個人差があるということを念頭に置いていただき、参考にしていただければ幸いです。まだまだ私も勉強の途中ですので、患者様に教わりながら日々勤務に励みたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
〈参考文献〉
・倉田 直紀ら:主観的伸張感で実施時間を設定した静的ストレッチングにおける 有効なセット数の検討 ~健常成人を対象としたpilot study~, 理学療法の科学と研究 Vol13, 2022
・相澤 杏莉ら:身体の柔らかさはスポーツ障害・外傷の発生に どう影響するか?, 理学療法科学 第37巻, 2022
・中村 雅俊:ストレッチング ストレッチング アップデート“予防できるもの”と“予防出来ないもの”, 理学療法の歩み 33巻, 2022